なんなんだ。蚊は。
アイツらはどこにでもいる。僕の自宅にも、仕事先にも、車の中にも、公衆トイレにも、コンビニにも、スーパーにも、行く先々に現れ僕の血液を奪う。
なんで血を奪うんだよ。
なんで僕ばっかりを狙ってくるんだよ。
僕は、蚊に狙われやすい。同じ空間に複数人いても僕だけがやられる。
1匹しかいないはずなのに、2つ3つポンポンとやられる。
せめて、1ヶ所にしてくれよ。
欲張りすぎるよ。
やつらは、春先から頻繁に現れ、まだまだ寒さが残る季節にも「ぷ~ん」っとやってくる。
あの音の憎たらしさよ。
聞こえた瞬間、ハッとする。
なぜ、わざわざ耳元付近を飛行し存在をアピールするのか?
威嚇なのか挑発なのか、その意図を理解できるはずがない。ただ、これだけは言える。
完全に僕を舐めている。
いくら心穏やかな優しさに溢れている僕でも、やるときはやる。
やるときは、やるんだよ。
所詮は、人と小虫。
僕はヒラルキー頂点にいる。奴らを殲滅する事なんていともたやすい。
なんなら、こんな殺戮マシーンもある。
「蚊用置方決戦兵器Earth no mat 」
この丸みをおびたボディ。
さわやかなライトブルー。
これまで、歴戦の戦士達をあの世に送ってきた鬼畜すぎるチートマシーン。
こいつを戦線に投入すれば、戦局は一変する。
ええい、躊躇する必要はない。奴らを根絶やしにしていまえい!
皆殺しだ!!
ホロコーストだ!!!
情けは無用!!!
やれ!やれ!!どんどんやれえ!!!
・・・。
自分は「まっとうな人間だ」と心の底から信じている人は、ある意味、狂人。
ただ、その狂気は本人を幸せにしている。
僕も、そういう狂気を持っているかもしれない。
こんな事を毎回考えているから、僕は蚊に刺されるのかもしれないなあ。
つづく。